penguin note

好き!

好きの気持ち(前編)

最初に言っておくと、タイトルに「好きの気持ち」とありますが、恋の話ではありません。恋愛の話はこれっぽっちも出てきません。彼氏いない歴=年齢の私にはそんな話はできません(嘆)

それはおいといて。私は音楽が大好き。なんですが、同じ「音楽が好きな人間」でも、人によって「好き」の仕方には結構な違いがあります。私の友達の話を聞いても、みんな十人十色な「好き」をしています。その中でも、大きく分けると、2種類あると思っています。あるアーティストのことが大好きで大好きで、その人の曲は全て褒めるしその人のことなら全てを応援するというような、一途で、ある種盲目な「好き」。そして、良いと思ったところはもちろん褒めるけど、あんまりだと思うところには結構突っ込んだり、こういうのやめてほしいとか、批判もさらっと言ってしまう、ドライな「好き」。今の私はどっちかと言うと後者です。でも、過去に前者のような「好き」をしていた経験もあります。今日は、そんな私の「好き」の歴史をお話ししてみようと思います。

 

まず言っておきたいのは、あくまでも私個人の話ということです。どっちの「好き」が合うかなんてもちろん人それぞれだし、私とまったく意見が合わない人だっていると思います。こんな考え方の人もいるんだな〜くらいの緩い気持ちで読んで頂けると嬉しいです。

私は、過去に本当にめちゃくちゃ大好きになったアーティストがいて、それこそさっきお話した前者の「好き」のような感じでした。この人達の音楽全部好き!!!この人達の性格も考え方も好き!!!一生着いていく!!!みたいな。俗に言う「推し」への感情です。この状態の時って、もちろんすっごく楽しくて、ちょっとしたことで嬉しくて、感情を揺さぶられて、すごく濃い日々でした。当時はTwitterで専用アカウントを作って、地域や年齢を超えてファンの方々と繋がって語って、事ある毎に騒いで、毎日本当に楽しかったんです。でも、2年くらい経ったある日、急に思ったんです。「私、この人達の音楽、本当に好き?」って。好きになったきっかけも理由も音楽だし、曲聴いたら「好き!」ってなるんですけど、突如今まで気にならなかった何かに引っかかってしまいました。その何かとは、盲目な「好き」の気持ちでした。自分、盲目になってない?心の奥底では本当はそんなに良いと思ってないのに、アーティスト本人たちのことが大好きだという気持ちが先走って、音楽まで無意識に好きって思っちゃってるんじゃない?そんな考えが頭の中を走るようになって、でもどうしたら本当に好きなのか確かめられるのかわからなくて、ずっとモヤモヤする日々が続きました。そんな状態でも関係なく次々に新曲が発表され、新曲を聴いてパッと「今回も好き!」って思っても、それを疑うもう一人の自分がいるという具合に、心の中で激戦を繰り広げていました。でも、Twitter上では今まで私と好きを共有してきた人達がいるから、よく分からないなりにも今まで通り好きってツイートして、そのうちそんな自分を許せなくなりました。私は当時から自分の「好き」を大切にしているつもりだったので、本当に好きなのか分からないという状況は結構屈辱で、戸惑うものでした。結局本心じゃない好きをツイートするなんて私には無理な話で、忙しくて浮上できない〜とか言いながら、Twitterから逃げました。好きかどうか分からないってどういうことだよ!って思うでしょうが、本当にわからなかったんです。今でも当時どっちだったのかははっきりとは分かりません。冷静になって、そのアーティストの傾向がだんだん私好みの音楽と離れていっていることに気づいてから、「好き」の熱量が少しずつ落ちて、今に至ります。(まあ今に至る間に邦ロックにハマるというのもあるんですが、それはまた後編で。)今はTwitterのファンアカウントも使っておらず、気が向いたら好きな曲を聴く、新曲が出たらとりあえず一通り聴いて好きと思ったものは繰り返し聴く、というようなゆるーい追いかけ方をしています。

好きでいる上で本当にたくさんのことに悩んで泣いたし、自分が分からなくなって困惑もしました。でも、人生において、これ程までに何かを大好きになって無我夢中で追いかけることなんて、そうあるものじゃないので、そういうものに出会えた私はラッキーだったし、幸せ者だなあと思います。あの時間が無駄だったとは1ミリも思いません。今の自分の「好き」はとても信頼できるものだと思っていますが、その「好き」を確立する上で、とても大切で必要な時間でした。素敵な思い出だってたっくさんあるしね。アーティスト名を出すのははばかられるので言いませんが、前のような「好き」ではなくても、ずっと見守っているし、応援しています。

では、今回はこの辺で。後編では、こんな歴史を経て確立された、私の「好き」についてお話したいと思います。